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🐴名種牡馬とは:リーディングサイヤーランキングだけでは判らない!

まず、1つ目が当たり前ですが「優秀な競争成績」を残す事です。これはわかりやすいですよね。但し「G1を何勝したか」など具体的な基準はありません。

2つ目ですが「血統がよい」事です。これは別ページでご紹介した通り、父親が素晴らしいだけの馬の事ではありません。母親が優秀な繁殖成績を残した馬であるという事です。

このパターンで代表的なのは日本でも馴染みのある「フェアリーキング」という種牡馬です。

下図がフェアリーキングの血統表ですがこれは「サドラーズウェルズ」と全く同じ血統表です。

フェアリーキングの血統表。兄サドラーズウェルズと全く同じ血統というだけで種牡馬入りし、成功した例

サドラーズウェルズと全兄弟(父も母も同じ)いうことになります。

フェアリーキングは未出走ながらも兄が(母親が同じだけでなく父親も同じノーザンダンサーなので全く血統表が同じです)偉大な欧州の名種牡馬、サドラーズウェルズだったのです。

実際兄には劣るもののフェアリーキングも素晴らしい産駒を多く送り出して名種牡馬となりました。

🌟種牡馬になっても立ちはだかるさらに厳しい競馬の世界!

そもそも種牡馬になった馬というのは、その時点で既に何らかの素晴らしいごく一握りの能力を認められたサラブレッドです。

現役生活で華やかな実績を残した馬、血統が素晴らしい馬··実はどちらにも「さらなる厳しい」生き残り合戦が待っています。

どの種牡馬も初年度は、それなりの種付けオファーが来ます。

しかし極端な話で言えば、その初年度の産駒が振るわなければもう「御用済み」として種牡馬の世界から退場することになり、あっという間に、馬肉屋のテーブルに直行することもあります。

それは最悪のパターンですが、そうでなくとも種付けオファーが激減していつの間にかフェードアウトする馬がほとんどです。

そんな厳しい世界の中、毎年のように「リーディングサイヤーランキング」トップ10に名を連ねる馬はまさしくサラブレッドの頂点と言えます

2023年のリーディングサイヤーランキングトップ10に輝いたのは以下の馬です。

✨リーディングサイヤーランキング(2023年度)

🐴リーディングサイヤーランキング上位に入るだけでは不充分!

この精鋭たちですが、ここから「さらに厳しい競馬」の世界があります(どこまで続くんですか?とツッコミが入りそう)

このランキングは基本的にその年の産駒の合計「獲得賞金額」を元に決まります。

何を意味するかというと、上位にランクインしている種牡馬でも「その血を子孫に伝える」ことができる大物のスーパーホースを輩出してるとは限らないということです。

大物ではないが重賞馬を沢山送り出して「地道に賞金を稼いでいた」というケースがほとんどです。

種牡馬の価値は、子孫代々へ自分の血流を伝えることに最も重きが置かれます。そのような産駒を輩出できなければ、

その種牡馬は自分が寿命を終えた時、種牡馬としてではなく元のイチ競争馬としてだけ名を残す事になります。


の図は2001年のリーディングサイヤー不動のトップ3です。

サンデーサイレンスはこの時点で4頭の産駒が更に先へ血脈を繋いでいる(赤色の馬)。

一方、御三家のトニービンとブライアンズタイムを見て見ます。サンデーサイレンスと決定的に違うのは一目瞭然。

産駒に血脈を先へ繋げた馬がいません。当然2023年のランキングの中に、この両馬の父系を継ぐ種牡馬は見当たりません。

これはトニービンとブライアンズタイムの両頭の血が、種牡馬サイヤーラインから消えかかっている事を意味します。

トニービンは「ウイニングチケット」「ジャングルポケット」を輩出。

ブライアンズタイムは「ナリタブライアン」「マヤノトップガン」「サニーブライアン」を輩出した大種牡馬だったにも関わらずです。


ここでもう一度上の表:2023年のリーディングサイヤーランキングを見てみましょう。2位のロードカナロアはサートゥルナーリアを輩出しました。

同様にドゥラメンテもタイトルホルダーを輩出しましたがこれで安心する事はできません。

第二、第三の「ブライアンズタイム」「トニービン」の様な結果になる可能性があるからです。

ランキング3位のディープインパクトに関しても、もう既にこの世を去っていますので「コントレイル」あたりが頑張らないと種牡馬の世界では、それほど存在価値が大きくならない可能性もあります。

従って「サンデーサイレンス系」は繋がりますが「ディープインパクト系」というサイヤーラインの確立は簡単にはいかないと言わざるを得ません。

また、サンデーサイレンス系としてのイメージは、ディープインパクトが筆頭格になります。

しかし「スワーヴリチャード」「ジャスタウェイ」「ドゥデュース」を輩出したハーツクライもそれほど負けていないと個人的には思います。

ハーツクライはスワーヴリチャードとドゥデュースが種牡馬として大成功を収められるかが勝負の鍵です。


逆にキタサンブラックのように仮にイクイノックスの1頭だけで終わったとしても(まだ終わってません)既にロードカナロアよりも価値が高い種牡馬となる可能性があります。なぜか?

ここで最も重要な事は、キタサンブラックの父親は「サンデーサイレンス」の産駒ブラックタイドだと言うことです。

つまり、サンデーサイレンスの血脈が孫キタサンブラック→曾孫「イクイノックス」まで繋ぐ事ができたと言うことです。

これは前述の通りディープインパクトにはできていい偉業です。

しかもイクイノックスが種牡馬として、さらに大物産駒を輩出できたら尚更です

ちなみに皮肉な事に「ブラックタイド」と言う馬は実はディープインパクトの兄なんです。

ディープインパクトが馬体の見栄えの悪さなどもあって前評判が高くなかったのです。

それに対しブラックタイドはセレクトセールでディープインパクトよりも高い1億円位の価格で落札された前評判の高い、ダービー候補でした。

競争成績は散々でした(僕もラジオたんぱ杯で単勝馬券を勝ってハズした記憶があります)

前述したように「血統がよい」という理由で種牡馬になれた感じです。

しかしキタサンブラックと言う名馬を「一発屋」であっても輩出したので、偉大な弟ディープに一矢報いたといった所です。

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