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✨血統の基礎アウトブリード:ディープインパクト

別ページの項で「良血馬」などといとも簡単にご説明してしまいましたが、サラブレッドの血統について改めてご説明しますね。

✨ディープインパクトの5代血統表

通常サラブレッドの血統表は先祖5代まで遡って表記されます。これを「5代血統表」と言います。

アウトブリードの代表である名馬ディープインパクトの5代血統表

🌟サラブレッドの配合について

サラブレッドは主に「アウトブリード」「インブリード」配合に分かれます(後述)。しかしサラブレッドはどちらにしろ超近親配合です。

何故か?強い(速い)馬の遺伝子だけを残したいからです。

強い馬の遺伝子は全体の極一部の選ばれし血脈だけなので、必然的にそうなります。それが「サラブレッド」という言葉の語源でもあります。

でもそんな近親配合をして大丈夫なのか?と思われる方もいると思います。人間では法律で禁止されていますよね。

ハッキリ言うと生物学的には当然よくないです。実際にサラブレッドは気性的には「狂気」とも言える馬が多いです。

パドックとかで気性の悪い馬が「入れ込んでるなぁ」とか言われますが、その程度はマシな方です。

本来、馬と言うのはそんなに気性の悪い生物ではないんです。普通の馬とサラブレッドは違うんです。

そしてサラブレッドは体質が極端に弱かったり、何かしらの問題を抱えている馬がほとんどです。だから人間で近親配合は絶対してはならないのです。

では何故そのようなリスクを負ってまで近親配合をするのか?

答えはただ一つ「サラブレッドは速く走る事」だけを目的に、この世に生を受けるからです。

🌟アウトブリードとは

冒頭お伝えした通り、全てのサラブレッドは近親配合です。しかしその中でも比較的近親配合の度合いが低い血統を「アウトブリード」と呼びます。

もう一つのインブリードと比べると比較的無難な馬が出やすいです。このページではアウトブリードをまずご説明します。

もっと具体的に言うと、アウトブリードとは5代血統表の中に同じ馬の血(名前)が入っていないサラブレッドの事を指します。

ここでアウトブリードの名馬の代表例として、冒頭に挙げた三冠馬「ディープインパクト」を取り上げます。

🐴もう一度ディープインパクトの血統表を見てみよう

↑がディープインパクトの血統表です。まず第一に父親のサンデーサイレンス自体の血統表にある馬の名前が誰も知らないものばかりw

だからアウトブリードになりやすいのは当たり前です

→インブリードされてない箇所は色の塗りつぶしをしていないので見ての通りモロにモノクロです

僕の個人的な考えでは、アウトブリードの方がいいと思います。

サンデーサイレンスが大成功した理由の一つは他の種牡馬と比較して、どのような繁殖牝馬と配合しても危険のつきまとうインブリードにならずに自由に配合できた事が大きいと思います。

そして更にディープインパクトの母「ウインドインハーヘア」も比較的マイナーな血統構成でありつつも能力の高かった繁殖牝馬だった事でアウトブリードが成立しやすかったです。

ウインドインハーヘアはドイツのG1アラルポカルを制した名牝です彼女の現役時代のレースはコチラこのレースは負けてますがw

でも恐らく皆さんにお馴染みの血を探すと「Lyphar(リファール)」と「Busted」くらいではないでしょうか

リファールは名馬ダンシングブレーヴを輩出しました。↓写真

また、ディープインパクトの全兄ブラックタイド(ディープインパクトと血統表だけで見ると同一馬)です。

当然ディープインパクトと同じ遺伝子を子孫に残す事はもちろん無理でしょうけども「サンデー系のアウトブリード馬」です。

名牝ウインドインハーヘアの仔であった事が、大きな一発「キタサンブラック」を放つ事が出来た要因かもしれませんね。

✨ディープインパクト系確立の可能性

もうディープインパクトはこの世を去ってしまいましたが残された産駒からディープインパクト系確立は難しいかな···と思ってました。

しかしここにきて何とディープインパクトから1代挟んでフォーエバーヤングという馬がBCクラシック制覇を成し遂げました。

アウトブリードの優位性が活きてきたのかディープインパクト直仔でなくとも優秀な馬がでてくるとあればディープインパクト系確立の可能性は十分でてきました。期待しましょう!

↑フォーエバーヤングの5代血統表です。かなり4代目、5代目にクロス(インブリード)を入れられたのもディープインパクトがアウトブリードだからこそ可能だったと思います。

では次からはインブリードについて見ていきましょう。

→次のページ:血統:エルコンドルパサーから学ぶインブリードについて